ストレスについて
麗らかな春の季節になりました。この時期はまた、旅立ちと新しい出会いの時でもありますね。期待と不安の中、新しい環境に飛び込んでいこうとしている方も多くおられることでしょう。
人間にとって、良くも悪くも環境が変わるということは大きなストレスになります。その中でそれをバネにして自分の力を発揮していくことのできる人もいれば、逆にうまく対応できなくて萎縮してしまう人もいます。時と場合、相手や自分の対応力などによって状況はさまざまに変わります。又、このような就職、進学、異動などの大きな変化（人生のイベント）というストレスの他に、毎日の生活の中（家庭、職場など）で感じ、積み重ねていくストレスもあります。（日常ストレス）
私達は自然から、又、作られた環境の中からいろいろなストレスを日々受けながら生きています。そして一つ一つ乗り越えながら生きる力を高めているのです。でも、時として重くなって悩んでしまうこともありますね。
皆さんはどんな時にストレスを感じ、どのように向き合っておられますか？
1. ストレスとは？
『ストレス』という言葉は、もともとは物理学の用語で「物体に外から加わった圧力によって生じたゆがみ」のことを言います
カナダの物理学者、ハンス・セリエ（１９０７〜１９８２）が１９３６年発表した「ストレス学説」の中で「外界からのあらゆる刺激に対する生体の特異的な反応」としてこの言葉を用い、広く使われるようになりました。
例えば下図を見て下さい。ゴムまりを指で押すとへこみができますね。
このようにゴムまりを押さえている指（刺激）を「ストレッサー」といい、そのストレッサーによって歪んだ状態が「ストレス」です。
医学や心理学の領域では、生体にかかる外部からの刺激を「ストレッサー」といい、ストレッサーに適応しようとして生体内部（心と身体）に生じたさまざまな反応を「ストレス反応」といいます
2. ストレスの種類 ===ストレッサー===
「ストレッサー」は大きく３つに分けられます。
3. ストレスによっておこる状態、症状 ===ストレス反応===
ストレッサーによっておこる心身の反応−−−ストレス反応−−−は下記の３つの側面から現われます。その現われ方は、お一人おひとりの心身の状態、環境、認知の仕方、対応方法（コーピング）などによってさまざまです。
自分がストレスを受けた時、どのような形で出やすいのかを知っておくと適切な対処につながっていきます。
4. ストレスを感じたら・・・ストレスとの向き合い方
私たちは様々な物事に適応しようとして、意識の上で「自分はまだまだ大丈夫！」と思ったり、ストレスとして感じることなく(無意識に抑え込んで)頑張りすぎてしまうことがあります。
「何かおかしいな」「ちょっとイライラするな」とか「気力が減ってきたかな」「疲れやすいな」などといつもの自分と違うなと感じたら、まず「ストレスを受けていないかな・・・？」「何か嫌なことがあったかな・・・？」と自分の心と身体に目を向けてみましょう。そしてストレスを受け、緊張している心と身体をゆるめてあげましょう。
自分の好きなことをしたり、運動したり、目標設定を少し下げて休息をとるなど、気分転換をはかるのもいいですね。
ストレスの状況が続くなど気になる時は、そのことに向き合い「自分はどんなことができるのか」、或いは「どうしたいのか」と考えてみましょう。
その、問題と感じている環境や状況は「変えられるのだろうか」、「変えられないのだろうか」と考えてみて、変えられそうであれば勇気を出して行動してみるのも一つの方法ですね。
環境や状況を変えられない時や変えるのが難しい時は、自分の考え方を切り替えてみましょう。その状況に対し「これは自分にとってプラスになる！」と前向きに考えてみるのです。
こうしたストレスへの対処方法を「ストレスコーピング」と呼びます。
ストレスを感じたときに自分はどう対処したらいいのか、さまざまな方法の中から自分にとって効果的な方法を見つけていきましょう。
ストレスが大きくていろいろ試しているがうまくいかない、どうしていいか分からないと感じておられる方、セルフケアの力を高めたい方、自分に合った方法を知りたいと思っておられる方は、どうぞ当センターにご相談下さい。
カウンセリング、行動療法、認知療法、催眠療法など、さまざまな心理療法を組み合わせ、面接の中でお一人おひとりに合わせた対処方法をお伝えしていきます。
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